約 35,695 件
https://w.atwiki.jp/tsukyama/pages/137.html
L:瀬戸口高之2 = { t:名称 = 瀬戸口高之2(ACE) t:要点 = すみれ色の瞳,たれ目,優しい顔,薔薇 t:周辺環境 = 春の園 t:評価 = 全能力22 t:特殊 = { *瀬戸口高之2のACEカテゴリ = 個人ACEとして扱う。 *瀬戸口高之2のみなし職業 = オペレーター,撃墜王,ネクロマンサー,WSOとしてみなす。 *瀬戸口高之2は中程度までの肉体的損傷を自動再生する。 } t:→次のアイドレス = 古き親友(イベント),撃墜王(職業),オペレーター(職業),ふさぎがちなので楽しいデート(イベント) } SHQ継承第1世代:全能力22→24 可能特殊行為 *オペレーターはオペレーター行為ができる。この時+4の修正を得る。 *撃墜王のパイロット資格 = ,,,搭乗可能({人型戦車,人騎兵,I=D,航空機,RB,艦船,宇宙艦船})。 *撃墜王の搭乗補正 = ,,,({I=D,RB,航空機}に搭乗している場合での)全判定、評価+5。 *WSOの搭乗補正 = ,,,(コパイロットとして搭乗している場合での)全判定、評価+3。
https://w.atwiki.jp/unyo/pages/26.html
シコウ・アル・ナスライン 国民番号 名前 所属藩国 34-00672-01 シコウ・アル・ナスライン リワマヒ国 名前 ソウイチロー・ヤガミ・アル・ナスライン ACEカテゴリ 個人ACE HQ区分 HQ(HQ+1:合計+1) 根拠 http //p.ag.etr.ac/cwtg.jp/bbs2/18499 サイト http //www24.atwiki.jp/riwamahi/pages/339.html 性能開示 http //blog.tendice.jp/200804/article_55.html 性能 L:ソウイチロー・ヤガミ・アル・ナスライン={ t:名称=ソウイチロー・ヤガミ・アル・ナスライン(ACE) t:要点=おしゃれヤガミ,サバイバル風,ナイフ t:周辺環境=海辺 t:評価=全能力19 t:特殊={ *ソウイチロー・ヤガミ・アル・ナスラインのACEカテゴリ = 個人ACEとして扱う。 *ソウイチロー・ヤガミ・アル・ナスラインはヤガミとして扱う *ソウイチロー・ヤガミ・アル・ナスラインは名パイロット、パイロット、整備の神様、整備士として見なし,これらの持つ全ての特殊が使える。 } →次のアイドレス:・シコウ(ACE)・ヤガミ専用植物型I=Dの開発(ACE)・猫と散歩(イベント)・キャンプ(イベント) }
https://w.atwiki.jp/viptoho/pages/26.html
分類 キャラスレ民 愛称 ホモコジマ電気←企業名なら株式会社コジマだぞ←細かいことはどうだっていいんだよ←細かいのはお前のちんぽだ←仮性包茎のくせに←仮性は優性遺伝だバカ←初耳だ。そんな事よりいい加減この欄見辛いぞ←便所の落書きってこんな感じになったりするよね←電話番号書いてあったりするけど実際電話する人は居るのかな←したことはある←どうだった?←オッサン期待してたのにお姉さんが出てビビった←知り合いの電話番号でも書いたのかあるいは人がいないときに書いてったかだね Twitter Maelzel_openingMaelzel_opening (twitpic) THE INTERVIEWS maelzel-opening pixiv 298589 千葉工業大の22歳。 島根出身で、現在は千葉在住。 文、雛、パルスィが好きな浮気厨。 アーマードコアネタを東方スレで空気を読まず書き込むため、このような呼び名がついた。 自称メルツェル。自分が絶対的に正しいと思っており、閉鎖的である。 高校の文化祭などでは練習、準備をさぼっていた。 さとりを虐めるのが趣味で、さとり厨とは犬猿の仲。 レイタに煽られ、スカイプでレイタをブロックしたチキン。 wiki荒らしのゴミ屑。 ミラ風とはホモ仲間である。 Maelzel_opening 原動機付きけもの ミラ風と合流なう ついにリアルで逢いホモセックスをするに至った。 2011/9/10 彼のほか数名の東方厨たちとカラオケ店にて乱交ホモセックスを催した 嫌われたいと発言したにも関わらず、態度では真逆の行動。所詮口だけの男であった 10 名前:幻想郷に迷い込んだななしさん[sage] 投稿日:2011/09/11(日) 22 37 57 あん? 俺昨日の夜は単独でネカフェにいたぞ。 優雅にドリンクを楽しみ、CPUがceleron2.93GHzでRAMが1.00GBと言う超廃スペックPCを堪能しながら、 妖怪分の補給をしてたってえわけだ。 こんなことを言ってはいるが、ホモは嘘吐きであることを考えると この発言が大嘘である可能性が否定できない。 Maelzel_opening 原動機付きけもの 手が自然とHomoって入力した事への絶望が隠せない 文字入力にすら支障が出るほどのホモである。 234 名前 幻想郷に迷い込んだななしさん [sage] 2011/09/07(水) 13 41 33 sandとsoundを間違える高偏差値文系大学生なんているんですねー(ゲス顔) サンドボックスの意味を知らずにドヤ顔で語ってしまう哀れな頭脳の持ち主である。
https://w.atwiki.jp/support00/pages/515.html
名称 ・芥藩試作機(ACE) 要点 ・ダブルデルタ・戦闘機・30m 周辺環境 ・空 評価 全能力20 特殊 *芥藩試作機は、航空機として扱う。 *芥藩試作機は、AR20として扱う →次のアイドレス 試作機の量産(イベント)、ビクトリーの登場(イベント)?
https://w.atwiki.jp/employment/pages/35.html
MCS会計簿 派遣申請日 お客様名 (敬称略) 藩国名 派遣名 派遣社員数 売り上げ(マイル) ターン 05/02 朝霧 紅葉ルウシィ 神室想真 日向美弥 紅葉国 カウンセラー派遣 5名 50 14 05/02 結城由羅 世界忍者藩国 カウンセラー派遣 1名 10 14 05/09 海法 紀光 海法よけ藩国 カウンセラー派遣 1名 10 14 05/20 矢上ミサ 鍋の国 カウンセラー派遣 3名 30 14 05/25 海法 紀光 海法よけ藩国 広報官派遣 1名 30 14 06/07 戯言屋 フィーブル藩国 広報官派遣 1名 30 14 06/07 よっきー 涼州藩国 環境監査員派遣 2名 20 14 06/09 矢上ミサ 鍋の国 栄養士派遣 1名 20 14 06/09 森沢 海法よけ藩国 誘導員派遣 1名 10 14 07/04 濃紺 世界忍者国 助産師派遣 4名 20 14 09/09 曲直瀬りま FVB 助産士派遣 1名 5 14 09/22 玄霧弦耶 玄霧藩国 広報官派遣 1名 30 14 10/08 結城由羅 世界忍者国 広報官派遣(廉価版) 1名 5 14 10/08 結城由羅 世界忍者国 広報官派遣(廉価版) 1名 5 14 10/15 守上藤丸 ナニワアームズ商藩国 広報官派遣(廉価版) 1名 5 14 11/11 YOT ゴロネコ藩国 広報官派遣(廉価版) 1名 5 15 11/17 黒埼紘 越前藩国 保育士派遣 1名 30 15 11/17 黒埼紘 越前藩国 助産師派遣 1名 5 15 11/17 黒埼紘 越前藩国 社会福祉士派遣 1名 10 15 11/17 黒埼紘 越前藩国 シルバー人材派遣 1名 5 15 1/5 玄霧弦耶 大島海豚 玄霧藩国 職業訓練指導員派遣 1名 10 15 2/19 黒埼紘 越前藩国 広報官派遣(廉価版) 1名 5 15 2/19 黒埼紘 越前藩国 社会福祉士派遣 1名 10 15 04/06 戯言屋 フィーブル藩国 広報官派遣 1名 30 16 06/15 沢邑勝海 キノウツン藩国 カウンセラー派遣 1名 10 16 06/24 護民官事務所 天領 広報官派遣(廉価版) 20名 100 16 06/24 護民官事務所 天領 シルバー人材派遣 20名 100 16 08/26 乃亜・クラウ・オコーネル ナニワアームズ商藩国 誘導員派遣 2名 20 16 09/1 海法 紀光 海法よけ藩国 広報官派遣 1名 30 16 売り上げ合計 640 お給料の支払い 5/13 -48 お給料の支払い 5/24 -32 お給料の支払い 5/31 -24 お給料の支払い 7/17 -76 お給料の支払い 10/11 -33 お給料の支払い 10/17 -3 お給料の支払い 12/16 -41 お給料の支払い 2/24 -16 お給料の支払い 7/24 -120 お給料の支払い 7/24 -32 財政合計 165
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2121.html
ウサギのナミダ ACT 1-9 ◆ ミスティは神姫サイズのソファに座って、テレビを見る振りをしながら、自分のマスターを観察している。 久住菜々子はベッドの上で、うつ伏せになって、枕に顔を埋めている。 今は微動だにしていないが、ときどき思い出したようにじたばたする。 ここ三日ほど、ずっとこんな調子だ。 ミスティは自らのマスターが深く悩んでいるにも関わらず、我関せず、という態度を貫いていた。 菜々子が悩んでいる理由はよくわかっている。 先週末、親しくしている神姫プレイヤーの遠野貴樹と、その神姫ティアに、あるスキャンダルが持ち上がった。 それは、ティアが売春をしていた決定的な証拠が公に明らかになってしまったのだ。 行きつけのゲームセンターで、他の常連達から噂を聞き、その雑誌も見た。 正直、女性であれば、いや良識ある武装紳士であれば、誰もが眉をひそめるような痴態が掲載されていた。 それを見たとき、菜々子はとても気分が悪くなった。 ミスティの目から見ても、激しく動揺し、彼女らしくもなく、逃げるように店を出た。 それから三日になるが、ミスティのマスターはさらに懊悩を深めているようだ。 きっと、遠野貴樹を信じたいけど信じられない、かといってこちらから連絡して確認するのもはばかられる、でも相手から連絡があったら、どう答えていいかわからない、とまあ、こんなところだろう。 マスターの苦悩がわかっていながら、ミスティは無視を決め込んでいた。 ミスティにとっては最初から疑う余地もなく、結論はとっくに出ている問題だった。 なのに、菜々子はいまだに同じ結論に達する気配がない。 だが、いい加減に復活してもらわないことには、先行きが思いやられるというものだ。 やれやれ、仕方のないマスターだこと。 わたしがちょっとだけ、助け船を出してあげるとしましょう。 「ナナコ、何悩んでるの」 「……」 「まあ、おおかた、タカキが神姫風俗に通ってたかも知れないとか、ティアに売春させてたかも知れないと思って、年頃の乙女としては心情的に許せない、そんなところかしら」 「ちょっ……あなた、遠野くんのこと呼び捨て!? しかも名前で!?」 「血相を変えるポイント、そこ?」 菜々子はベッドから勢いよく身を起こし、わたしだってまだ名前で呼ばせてもらってないのに、とブツブツつぶやきながら、恨みがましくこちらを見ている。 ミスティは少し呆れ気味に菜々子を見た。 「……わたしが呼び捨てにしたくらいで血相変えるほど、タカキのこと好きなんでしょ」 「うっ……だ、大本命よ、わるい?」 菜々子は顔を真っ赤に染めながら、そっぽを向いた。 ミスティはそんなマスターを可愛いと思う。 菜々子の神姫であるという贔屓目をのぞいても、ミスティは菜々子を素敵な女性だと思っている。 こんなにいい娘はそういない。 そう思うからこそ、ミスティは菜々子の恋を応援したいと思うし、貴樹にはがんばってもらわないと困るのだ。 「だったら、自分の好きな人を、信じてあげるべきじゃないの?」 「信じたいわよ、わたしだって! でも……!」 菜々子は真剣な顔で、ミスティを振り返った。 「あの雑誌の写真は、どう見たってティアだった……遠野くんはそんなことする人じゃないと思っていても……あの写真と遠野くんが関係ないって証拠はないじゃない……」 「あるわよ」 ミスティが簡単に放った一言。 菜々子はミスティをすがるように見つめる。 「どこ……どこにそんな証拠があるっていうの!?」 「バトルよ」 「バトル?」 「わたしとティアの戦いの中に、その証拠はあるわ。だから、わたしははじめから、あの写真とタカキは関係ないし、ティアに売春させるなんてあるはずがない、と確信してる」 ミスティは自信に満ちた表情で、自らのマスターを見据えた。 狐に摘まれたような顔をしていた。 「バトルのどこに証拠があるって……?」 「わからないかなぁ……」 これでも『エトランゼ』の異名を取る神姫プレイヤーなのかしら。 ミスティはそっとため息をつく。 「いい? ティアはね、オリジナルの脚部パーツを操るだけで、わたしの攻撃を全部かわすのよ? 全部かわせるのよ? この、エトランゼのミスティの攻撃を! 並の神姫にそんなことができる?」 「そ、それとこれとは……」 「関係あるわ。 わたしのリバーサル・スクラッチは、並のアーンヴァルなら、間違いなくかわせない。 飛行タイプの神姫でもかわせない攻撃を、地上装備でかわすのよ。 しかも、あの子は壁を走って、相手を見ないで射撃する。 回転しながらブラスターを連射する。 そこまでの技を、基本動作プログラムもない武装で積み上げるなんてことは、並大抵の修練じゃできない。 自分の神姫に売春させて小金を稼いでいる暇なんて、ないの」 「……」 「それだけじゃないわ。 あの子の技の精度は日に日に高まっているのよ。 新しい技だって、どんどん身につけてる。 それは、毎週末に手合わせしてる、私たちが一番よくわかってる。 マスターがきちんと神姫の面倒見なくちゃ、技は身に付かない。神姫がマスターを信じていなくちゃ、技を修得することはできないの。 わかるでしょ?」 「わかる、けど……」 「ティアとタカキは、共に過ごす時を、すべて技の修得に使ってる。そうでなきゃ、あれだけの技を積み上げることはできない。 だから、タカキがティアに売春させてるなんてあり得ない。 ティアと戦った私達だからこそたどり着く、それが真実よ」 ミスティは言い切った。 言葉で自らのマスターの迷いを断ち切るように。 だけど、と。菜々子はそれでも言い募る。 「だけど、だったら、あの写真は? ティアがひどいことされてる、あの写真は? あんなの、いつ撮ったって言うの……?」 「ああ……それはあの、井山とかいう男が撮ったのでしょ。きっと……ティアとタカキが出会う前に……」 ミスティは少しうつむいて唇を噛んだ。 あの写真が示すとおり、ティアが陵辱されていたこともまた事実なのだ。 それがどれほどの苦しみだったのか、ミスティには想像もつかない。 「じゃあ、やっぱり、ティアは神姫風俗にいたっていうこと……それじゃあやっぱり、遠野くんも……」 「ナナコ!!」 突然の大声に、菜々子はびくり、と震えて、思わず顔を上げた。 菜々子の視線の先で、ミスティは見たこともないような鬼の形相で睨みつけていた。 「いい加減にしないと、わたしだって怒るわよ……!? なんでこんな簡単なことがわかんないの!? ティアは確かに風俗にいたかも知れない。タカキだって、もしかしたら神姫風俗に行って、そこでティアと出会ったのかも知れない。 でもそれが何? そんな過去を持つティアを、タカキは全部受け止めて、あの子を育てたのよ、あそこまで! それが一番大切なことでしょう!?」 菜々子は驚いたように、ミスティを見つめている。 ミスティは、呼吸を整えると、今度は静かな声を出した。 「タカキは……そんなことができる、優しい人よ。最高に、優しい人よ。 ねえ、ナナコ。いつもあなたが言ってる『女の勘』を信じてよ……あなたが、タカキを好きになった、その勘を信じてよ。 あなたが好きになった人は、そんなやましいことをするような人?」 菜々子は黙ったまま、静かに首を振った。 「だったら、タカキを信じて、味方になってあげて。 今タカキは、きっと一人きりで戦っているわ、ティアのために……」 そして、ミスティは思っている。 やはり一人で戦い続けている菜々子を救ってくれるのは、きっと貴樹なのだ、と。 ティアにしたのと同じように、きっと菜々子のすべてを貴樹は受け入れてくれる。 菜々子はうつむいて、ミスティの言葉を聞いていた。 しばしの沈黙。 やがて菜々子は呟いた 「……あるのかな……」 「え?」 「……わたし、遠野くんを好きになる資格、あるのかなぁ……?」 今度はミスティが驚く番だった。 こんな弱々しい菜々子の声を、今まで聞いたことがなかったからだ。 「……わたし……ティアのひどい姿見て……びっくりして、気持ち悪くなって……逃げ出しちゃったよ……。 遠野くんとも会わずに、逃げちゃった……。 それどころか……遠野くんのこと、疑った。ティアに、あんなひどいことしてるのかもって……」 「……」 「そ、そしたら、好きな気持ちよりも……許せない気持ちの方が、大きくなって……風俗で、神姫にひどいことしてたのか、とか、もしかしたら今もティアに……とか考えて……勝手に遠野くんを悪者にして、勝手に嫌いになろうとしてた……」 いつもの明るい口調はなりを潜め、菜々子の声は低く、かすれていた。 それでも、菜々子は言葉を紡ぐ。 それが贖罪であるかのように。 「ほんとうは……と、遠野君に言ってないこと、わ、わたしにだって……あるのに……。 そ、そんなひどい、心の狭い女を、遠野くん、許してくれるのかな……あなたが最高に優しいっていう人そのばに、わたし、いてもいいのかなぁ……? わたし、遠野くんを好きでいて、許されるのかなぁ……?」 菜々子の伏せた顔から、きらきらと光る雫が、いくつもいくつも落ちていく。 まるで道に迷った子供のようだ、とミスティは思う。 マスターが道に迷っている。 ならば、それを示すのは神姫の役目だ。 「そんなの、許されるに決まってるでしょ」 ミスティは断言する。 今回の件に関しては、彼女には一本道しか見えていない。最初から。 「ティアとバトルして、真実にたどり着いているのは、きっと私たちくらいでしょうよ。 だから、タカキの味方になる資格があるのは、ナナコだけ。 タカキに悪いって思う気持ちがあるなら……その分、彼の力になってあげればいいじゃない? その方がよっぽどポジティブよ」 「わ、わたしに、なにができるかな……」 「考えて。いま、ナナコにできる精一杯のことを、あの二人にしてあげて。わたしじゃ……何もできないんだから」 神姫たるミスティの身では、貴樹とティアに何をしてあげることもできないのだ。 だから、ミスティは願う。 どうか、菜々子が元気を取り戻し、あの二人の力になってあげてほしい、と。 長いこと、菜々子はしゃくりあげながら、涙を拭っていた。 やがて、顔を上げた菜々子の瞳は真っ赤だった。 でも、ミスティを見つめる視線には、いつもの眩しさが戻っていた。 「そうだね……あなたが言うとおりね、ミスティ」 「ナナコ……」 「わたし、もう逃げない。遠野くんを信じてみる。そして……わたしにできる精一杯のことをする」 「うん……! それでこそ、ナナコよ。わたしのマスターよ!」 ミスティの声に微笑んだ菜々子の顔は、ひどい有様だった。真っ赤な頬が、涙でびっしょりだったし、髪もボサボサ、ここ何日かの心労で、目の下のクマも濃くなっている。 それでも、菜々子は笑っている。瞳にいつもの生気を宿して。 こうなった菜々子は、やるといったらやる女であることを、ミスティはよく知っていた。 「それでナナコ、とりあえず何をする?」 「ゲームセンターに行くわ」 「ゲーセン? なんで?」 まさかのんびりバトルロンドというわけでもあるまい。 菜々子はミスティの疑問に頷いて、言った。 「とりあえず、情報集めね。 いま、遠野くんたちを取り巻く状況を調べなくちゃ」 「直接会わないの?」 「……まだ心の準備ができない。それに、わたしは逃げてきて、まだ何もわかってないんだから、状況を把握しなくちゃ、遠野くんの何の助けもできないわ」 ミスティはそんなマスターを見て、こっそりと笑った。 いまの口調は、まるで貴樹のようではないか。 ミスティは思う。 貴樹もティアも、決して絶望なんてしないでほしい。 わたしと菜々子は、こんなにもあなたたちのことを心配しているから。力になってあげたいと思っているから。 わたしたちは、絶対に、二人の味方だから。 次へ> トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2114.html
ウサギのナミダ ACT 0-5 ■ 神姫も、夢を見る。 スリープモードで、クレイドルで充電とデータのバックアップを行っているとき。 それは神姫にとって「睡眠」にあたる。 マスターによれば、睡眠中に脳が蓄積された情報を整理し、その時に漏れでた情報を認識すると、夢になる、のだそうだ。 だから、データのバックアップ中に、わたしたちが認識するものも、やはり夢なのだ。 わたしは、夢を見る。 いつも同じ夢、恐い夢。 わたしの前には男の人。 顔は影になっていてよくわからないけれど、目だけが異様な輝きを放って、笑っている。 彼は、わたしに手を伸ばす。 わたしは身をすくめる。これから、自分の身に起こる出来事を予想しながらも、あらがうことはできない。 「や……っ」 男の人がわたしを掴み、顔の高さまで持ち上げる。 大きな顔が、わたしの視界いっぱいに広がる。 わたしは、恐くて、身体を震わせる。 でも、ここは彼の手のひらの上だ。 逃げ場なんてない。 彼は、わたしを両手でつまみ上げながら、さらに顔を近づけてきた。 息がかかる。臭い。 顔の下の方にかかった影が、横に一筋裂けた。 裂け目が広がると、ぬらり、とした軟体動物のようなものが出てくる。 舌だった。 「あっ……や、あ……っ」 男の人の舌は、わたしの身体をなぞる。 脚の先から、ふともも、ヒップからウェストのライン。 股間と胸は、特に念入りに舐められる。 太い舌先は巧みに動き、わたしの弱い部分を的確に責め立てる。 いやなのに。いやなのに。 いやらしい舌の動きを、わたしの身体は性的快感と認識する。 いやだという気持ちと、なぶられる快感が、相乗してさらに気持ちを高めていく。 「あ、あ、はあぁ……あぁ……」 頭がぼうっとする。 何も考えられなくなってくる。 わたしの身体は男の人の唾液にまみれ、いやな臭いを放っている。 その臭いすらも快感を助長する芳香に変わる。 わたしは快感に身を委ね、なすがままにされていた。 ふわふわとたゆたうような感覚に、わたしはどっぷりと浸っている。 と、突然。 ぼきり、という鈍い音。 「ーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」 ふわふわとした感覚は、爆発した激痛に吹き飛ばされる。 声が出ない。声にならない悲鳴。 さらにまた。 わたしの身体から鈍い音が響く。 わたしは身を焼くような激痛の出所を、左腕と右脚であることを、かろうじて突き止める。 だからといって、何もできない。 わたしはただ、大きく目を見開いて、堪えきれない痛みにぱくぱくとあえぎながら、涙を流すだけだ。 さらに、残りの四肢も折られた。 わたしは身動きもとれず、ただ激痛に悲鳴を上げる。 目の前の人を見る。 その男の人の顔は、相変わらず影になっていたが、その二つの目と裂け目のような口だけがはっきりと見える。 笑っている。喜んでいる。 わたしがのたうち回る姿を見て、嬉しがっている。 彼の方から、何かが飛んできた。 べちゃり、と粘液のようなものがわたしに降りかかる。 白く、べたべたの粘液は、何かすえた臭いがする。 いやだと思っても、いまのわたしには、この粘液を払うことさえできない。 男の人の光る両目が、さらにゆがんだ。 わたしを掴み上げると、わたしの背に指を当てたまま、親指でわたしの胸を押す。 わたしは恐怖した。 身体を折る気だ。 「や、めて……ください……やめて……」 やめて。死んじゃう。 わたしがどんなに懇願しても、そんな様子すら楽しんでいる。 わたしの背が限界を超えて曲がっていく。 折れてしまう。 死んでしまう。 たすけて、だれか、たすけて……だれか……。 ごきん。 「あああぁぁっ!!」 わたしは悲鳴を上げて、飛び起きた。 暗い。 あたりは静かだった。 時計の音が妙に大きく聞こえる。 それからわたしの荒い息。 「はあ、はあ、はあ……」 わたしは自分の身体を確認する。 どこも、折れてなどいない。 感じていたはずの激痛も今はない。 手は、白い布……お布団代わりの、マスターのハンカチを握りしめている。 「夢……」 わたしはやっと安堵して、深く息をついた。 怖い夢。どうしても見てしまう、かつての現実。 まだあの店を出て何日も経っていない。 過去の記録……思い出にしてしまうには、あまりにも最近の出来事すぎる。 白い布を握りしめる手元に、黒い染みが広がった。 瞳から涙がこぼれ落ちる。 夢は過ぎ去ったというのに、怖くてたまらない。 怖くて、怖くて、それでもわたしには為す術がなくて。 ただ一人、すすり泣くことしかできない。 突然。 あたりが明るくなった。 真っ暗だった部屋の明かりが灯ったのだ。 スイッチのところに立っている人影は、マスター。 マスターは、寝間着姿で、髪は乱れ、目は半眼のまま、こちらを向いている。 とてつもなく不機嫌そうな表情。 起こしてしまった。 わたしが、悪夢に悲鳴を上げたせいで、マスターのお休みを邪魔してしまったのだ! わたしは、マスターに睨まれて、目を見開いたまま硬直してしまった。 まるで蛇に睨まれた蛙だ。 わたしは身動きをすることもできず、絶望的な気持ちでマスターを見つめる。 これから、どんなひどい仕打ちが待っているだろう。 マスターは大股に歩いて近寄ってきた。 思わず、身を縮めてしまう。 ……ところが、マスターはPCに近寄ると、立ち上がっていたアプリケーションを次々に閉じて、PC本体も電源を落とした。 縮こまっているわたしを、もう一度見る。 非常に不機嫌そうな表情は変わらない。 わたしはクレイドルの上でさらに縮こまる。 すると、マスターはクレイドルごと、ベッドのサイドボードに持ってきた。 ケーブルをPCからコンセント供給用アダプタにつなぎ直す。 クレイドルの充電ランプが灯った。 データのバックアップはできないが、充電はできる。 わたしが何もできずに硬直していると、マスターはさっさとベッドにあがり、布団をかぶった。 首だけがこちらを向いて、また睨まれる。 「明日、延長ケーブルを買ってくる。寝る」 マスターはそれだけ言うと、枕に頭を沈ませ、そしていくらもしないうちに規則正しい寝息を立てはじめた。 わたしはあっけに取られていた。 これはどういうことなんだろう。 わたしは、つまり……マスターのそばで眠ることを許された、ということなんだろうか。 なぜ? お休みのマスターを邪魔したのに? あんなに不機嫌そうな顔をしていたのに? ……期待なんて、してはだめだ。 わたしは本来、この人の武装神姫になんてなる資格がないのだ、初めから。 でも、ベッドのサイドボードから見下ろすマスターの顔は、見たこともない安らかな表情で。 いつも冷静沈着、無表情で少し冷たい印象の男性ではなく、無邪気な少年のように見えた。 そんなマスターの顔を見つめていると、不思議と穏やかな気持ちになっていく。 おかげで、さっきまでの怖かった気持ちは、だいぶ薄らいでいた。 わたしはクレイドルの上で丸くなると、布団代わりのハンカチを引き寄せた。 □ 朝、目が覚めると、PCの電源が落ちていた。 クレイドルも、その上にいたはずの俺の神姫もない。 焦って、辺りを見回すと、俺の枕元にクレイドルは移動しており、その上でティアは眠っていた。 ほっとする。一瞬焦ってしまった。 そういえば、夜中にティアの叫び声を聞いて、一度起きたのだったか。 何が原因かはよくわからなかったが、ともかく心配だったので、枕元に持ってきた……のだと思う。 半分寝ぼけていたらしく、記憶は曖昧だ。 でも、なにやら心配だったのは、やはりまた、ティアが泣いていたからだ。 いま俺にティアの涙を止めてやることができなくても、せめてそばにいてやることぐらいはできる、と思う。 ……ただの自己満足だったとしても。 クレイドルの上で丸くなって眠るティアを覗くと、安らかな寝顔が愛らしかった。 小さく安堵のため息をつく。 まもなくして、ティアの瞼が瞬いた。 「あ……」 俺を見て、眠気を一気に吹き飛ばすように起き上がり、あわてて居住まいを正す。 「お、おはようございますっ……」 そんなにあわてなくてもいいのに。 しかし俺は素っ気なく、 「おはよう」 と返事した。 俺は、ティアの前ではできるだけ無表情を通すと、決めていた。 ティアが俺のことを信じ、自分から俺の神姫と認めてくれる時まで。 まずは、俺が無害な人間であることを信じてもらわなくてはならない。 そう思っていた。 ■ その日から、わたしの、武装神姫としての訓練が始まった。 主にトレーニングマシンを使ったバーチャルトレーニングだ。 まず、一通りの武器を使ってみるところから始まった。 片手で持てる銃火器を中心に、両手持ちでも軽量な銃、ナイフなどの刀剣類や、トンファーといった近接武器まで。 使い方は、素体交換時にプリセットされた戦闘プログラムと基礎データでだいたい分かっている。 出現する的を撃ち落としたり、ダミーの敵を攻撃する、といった単純な内容を黙々とこなす。 マスターはPCでわたしのデータを取り、どの武器がわたしと相性がいいのか検証する、ということだった。 マスターは課題を出すだけ出して、大学に行く。 わたしは、マスター不在の間、ずっとマスターの課題を消化していく。 大学から帰宅したマスターは、毎日作業スペースに向かい、何かを作っているようだった。 こんな日が数日続いた。 マスターが不在の昼間、私は一人、黙々とトレーニングに励む。 その間にいろいろなことを考えた。 だけど、結局、何も分からないままだった。 一つだけ分かっていることは、進むべき道はマスターだけが知っているということだった。 だからわたしは、マスターに言われるがまま、ついていくしかない。 マスターはわたしを使って夢を叶えたい、と言った。 だから、たとえ嫌がられようとも、マスターの夢を実現していると示し続けることが、わたしの存在意義なのだ。 そう結論したわたしは、またトレーニングを消化していく。 ある夜。 わたしはまた夢を見る。 薄気味悪い男の人の影。瞳だけが異様な輝きを放っている。 黒い手が、わたしに手を伸ばしてくる。 これから起こる仕打ちを想像して、わたしは身を縮める。 ……ところが、その手がわたしを掴む寸前、別の手が伸びてきて、わたしが乗っているクレイドルを掴んだ。 そのままするり、と視線が移動する。 わたしはクレイドルごと、別の手によって運ばれていく。 薄暗く寒々とした部屋は、柔らかな光に包まれた部屋に変わっていた。 その手は、クレイドルを自分の枕元に運んできた。 手の主はマスター。 マスターは非常に不機嫌そうな顔をしており、口をへの字に曲げている。 マスターは、わたしを睨みつけるように見る。 わたしが視線の鋭さに、びくり、と身を震わせると、 「明日は公園に行くぞ」 と言って、そのまま枕に頭を沈めた。 まもなく、規則正しい寝息が聞こえてきた。 なんだかちぐはぐな成り行きに、わたしは首を傾げた。 そして、不意に目を覚ます。 暗い部屋。 PCのディスプレイだけが、部屋を青白く照らしていた。 まだ真夜中だ。 あたりは静まり返っている。 規則正しい寝息が聞こえてくる。 そちらに視線を向けると、マスターの寝顔があった。 日頃の緊張を解いたような、少年のような寝顔。 夢の中で見たマスターの寝顔と同じ。 マスターのその顔を見るたびに、わたしは優しい気持ちになれる。 マスターの役に立ちたいと思う。まだなんの役にも立っていないけれど。 マスターの気持ちに応えることができるようになれば、いつものような無表情ではなく、この寝顔のように優しい顔を向けてくれるだろうか。 そうだったらいい、と思いながら、わたしはまた眠りにつく。 マスターになった、この人の存在が、わたしの中で意外にも大きくなっていることを感じていた。 次へ> トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2118.html
ウサギのナミダ ACT 1-7 □ 翌日の日曜日、俺はやはり迷いながらも、ゲーセンに向かった。 井山と会って話をするためだ。 奴に会って話をしないことには、状況は何も進展しない。 ティアは渡せないが、雑誌にティアのあんな画像を載せることはやめさせなくてはならなかった。 井山と連絡を取ろうと思ったが、奴とは昨日のゲーセンで会ったのが初対面だった。 結局、俺はゲームセンターに行かなくては、井山と話も出来ないことに気が付いた。 念のため、ティアはおいてきた。 正直、ティアの落ち込みようは心配だった。一緒にいてやりたい。 だが、連れていって、またティアが傷つく姿を見るのも嫌だったし、井山に無理矢理奪い取られないとも限らない。 店の連中が来ていたら、それこそ無理矢理に奪われるだろう。 だから、俺一人で来ることにした。 俺はゲーセンに入ると、まっすぐに武装神姫のコーナーに向かう。 俺の姿を認めて、店内が少しざわめいた。 かまうものか。 店に来なければ、果たせない用事なのだから仕方がない。 大城が俺の姿に気がついて、すぐに寄ってきた。 「おい、遠野……しばらく来るなって……」 「井山は来ているか?」 大城の言葉を遮って尋ねる。 奴の名を聞いて、大城も理解したようだ。 「いや……まだ来ていないな……」 「昨日は来ていたか?」 「来た。お前が帰った後にな」 「じゃあ、今日も来るだろう……少し待つか」 「いや、待つって、お前よぅ……」 大城が口ごもる理由はよくわかっている。 そうでなくても、俺に向けられた視線は痛いほどに感じられる。 俺はよほど歓迎されていないらしい。 「井山とは、ゲーセンで会う以外に連絡の取りようがない。バトルするわけじゃないんだ。大目に見てもくれてもいいだろ」 「だけどよ……」 「どのツラ下げて、店に来た? 黒兎よ」 ハウリン・タイプの神姫を肩に乗せた男が、割り込んできた。 「ヘルハウンドの……」 「お前は出入り禁止のはずだろう」 「奴に……井山に話があって、」 「帰れよ。お前がいるのが、迷惑なんだ。そう言わないとわからないか?」 ヘルハウンドのマスターには取り付く島もない。 俺は急に悲しくなってきた。 ついこの間まで、バトルをしようと誘ってくれた奴だったのに。 こんなにすぐに、手のひら返したように、冷たい態度がとれるものなのか? あんたは、俺達の戦いの何を見てきたんだよ? 俺が一瞬、物思いに沈み、気がついたときには、バトルロンドのコーナーに来ているほとんどの客が俺に向かって罵声を投げていた。 「そうだ、帰れ帰れ!」 「お前なんかにバトルする資格はねぇ!」 「お前の汚れた神姫もだ!」 「迷惑なんだよなぁ、風俗の神姫の仲間と思われるのはさぁ」 「ていうか、ここに来ないで、風俗にでも行ってろよ」 「もう二度と来るな!」 こんな罵声を浴びせられる理由がわからない。 納得が行かない。 それでも、俺は叫び出したい言葉を飲み込んだ。 罵声を、甘んじて受けた。 そうしなければ、すべての道が閉ざされてしまうと思った。 拳を固く固く握りしめ、歯を食いしばって耐える。 俺は意志を振り絞って、固まってしまっていた両脚を引き抜くようにして、いまだ口汚く罵り続ける連中に背を向けた。 脇にいた大城に、 「奴が来たら、電話くれ。頼む」 「あ、あぁ……」 大城は頷いてくれたらしい。 今の一言を言うだけでも、重い口を懸命に開く必要があった。 俺はやっとのことで、ゆっくりと店の出口へと歩み始めた。 聞こえた言葉。 「あんな精液まみれのエロ神姫、使う気が知れねぇよなぁ!」 どっと、受ける気配。 俺の中でなにかが。 切れる、音がした。 怒りとか、悲しみとか、そう言う気持ちを踏みつぶして通り過ぎた、行きすぎた負の感情。 それが、心の奥から、どばっと噴出した。 真っ黒い感情は、タールのように粘液質なのに、あっと言う間に俺の心を塗りつぶした。 俺は身を翻すと、先ほどの言葉を発した一団に飛び込もうとした、らしい。 それが未遂で終わったのは、大慌てで後ろから追いすがった大城が、羽交い締めにしてくれたからだった。 「はなせっ! 大城、はなせぇっ!!」 「バカ、やめろ、遠野! やめろって!!」 押さえてくれた大城の腕から逃れようともがいた。 しかし、頭一つ分背が高くて体格もいい大城に、かなうはずもない。 身体はあきらめたが、心は前に出ている。 俺は今にも飛びかかりそうになりながら、先ほど笑った連中を睨みつけた。 視線で人を殴れたらいいと、本気で思った。 「ふざけるなよ……!!」 低く暗く、震え、かすれた声。呪いを吐き出しているような声。 「神姫は……! 神姫はマスターを選べないだろうが!! 神姫に身体売らせて金を稼いでいる奴も、金で神姫を汚して悦んでいる連中も、みんな人間じゃないか!! マスターが命令すれば、神姫は嫌でも、どんなことでもしなくちゃならない。 神姫に何の罪がある!? 何度も何度も心を引き裂かれるような思いをして……傷ついているのは神姫だ! それなのになんだよ!? 追い打ちをかけるみたいに、勢いで罵声を浴びせて、おもしろ半分にあざ笑って…… お前ら、それでも人間か!? それが人間のすることかっ!!!」 口にしてはじめてわかった。 俺が許せなかったのは、俺たちがバトルできなくなることでも、俺が痛い思いをすることでもない。 ティアを無神経に傷つける行為が許せなかったんだ。 その場にいた誰もが口をつぐんでいた。 俺はさらに言葉を重ねたかったが、うまく口から出てこない。 心の底からマグマが吹き出すように煮え立っているのに、表層の意識は、いまの言葉を放ったところで、奇妙に冷静になっていた。 そうだ。こんな連中は人間じゃない。 ならば、ここは俺のいる場所じゃない。 俺が異物であるのも当然だ。 俺の身体から急速に力が抜けた。 大城の腕を振り払い、うつむきながら立つ。 「もう、二度と来ない」 吐き捨てるように言って、俺はきびすを返した。 さっきまで脚を動かすのに苦労したのが嘘のようだ。 俺はしっかりとした足取りで、足早に出口へと向かった。 一刻も早く、この店から出たかった。 未練さえ、欠片も残っていない。 もうこの店でバトルする事もない、という感傷さえ思い浮かばず、俺は自らの意志で、この店との関わりを切り捨てた。 それで、自らの夢が絶たれるのだとしても。 俺が店から出ると、三人の男がこちらに向かってくる姿が目に入った。 冷えていた俺の心の水面が瞬時に沸騰した。 俺はその男たちに駆け寄ると、真ん中の太った男の胸ぐらを掴みあげた。 「井山……っ!」 「おや、君は……ひゃはっ、どうしたんだい? そんなに怖い顔しちゃって」 おどけたような口調で言う。 からかっているのか。 こっちが完全に喧嘩腰だというのに、奴は全く動じていない。 「貴様……どういうつもりだ……」 「ん? なにが?」 「ティアの……あんな姿の画像を雑誌に載せるようにし向けたのは、貴様だろうっ……!」 「ああ、君も見てくれたんだ? よく撮れてただろ? アケミちゃんのエロエロな格好がさぁ」 こいつは自分がティアの画像を提供したことを否定さえしない。 まったく悪びれていないのだ。 俺は、井山の胸ぐらを掴む手に、さらに力を込めた。 井山の取り巻きの二人は、最初は俺の出現に驚いていたようだったが、井山が俺に絡まれていても、止めようともせずにニヤニヤ笑っているだけだった。 「よくも……自分がオーナーになりたい神姫の……あんな画像を……公表できるもんだな……」 「あんな画像も何も……アケミちゃんは、はじめからああいう神姫だろ?」 「貴様はっ……! 神姫の気持ちを考えたことがあるのかっ!?」 「神姫の気持ち?」 井山はさも不思議そうに首を傾げ、そして、こうのたまった。 「そんなの、考えるわけないじゃん、おもちゃの気持ちなんてさぁ! そんなこと考える方がおかしいんじゃないの?」 「な……」 「アケミちゃんは、ああいうことをされるために生まれてきた神姫なんだよ。そういう運命なんだよ。だから、無理矢理バトルロンドで戦わされるより、ボクに奉仕している方がよっぽど似合ってるよ」 「なにが……運命だっ……!」 俺は頭がおかしくなりそうだった。 俺が今まで出会ってきた武装神姫のオーナーたちは、程度の差こそあったが、誰もが神姫をパートナーとして大切にしていた。 だが、こいつは何だ。 平気な顔で神姫にひどいことができる。そして、神姫はそうされることが当然だなんて……そんな奴が神姫のオーナーであっていいのか。 「だからさぁ、さっさとアケミちゃんを譲りなよ」 「なにを……」 「だって君、いまバトルロンドできないだろう? アケミちゃんみたいな神姫じゃ、誰もバトルしたくないよね」 「……」 「君の好きな神姫を買って、アケミちゃんと交換してあげるよ。そしたら、君はバトルロンドにまた参加できる。ボクはアケミちゃんとイイコトできる。それが一番いいんじゃない?」 その話に一瞬でも心が揺れなかったと言えば、嘘になる。 このままじゃ、俺達は前にも後ろにも進めない。 だが、しかし。 「貴様……ティアを……手に入れたらどうするつもりだって……?」 「決まってるじゃないか。可愛がるんだよ! 雑誌の記事みたいなことをしてさ、毎日毎日、こってりとね。ひゃはははは!」 「そんなことをしたら、ティアは苦しむばかりじゃないか!」 「あったりまえじゃないか。アケミちゃんはさぁ、苦しんでる姿が一番可愛いんだよ。そういう神姫なんだよ、こってり可愛がられるために、生まれてきたのさ、きっと」 話が通じていない。 俺とこいつの話は、根本から食い違っている。 神姫が苦しむ姿が、一番可愛いだと……? 「……ふざけるなっ!」 俺は井山を突き飛ばした 俺の乱暴な行為も意に解せず、奴は余裕の態度を崩さない。 「貴様の様な奴に……ティアを渡せるもんかよ!!」 「ふふん、そう言っていられるのも今のうちさ」 「……なにを」 「あの雑誌の編集者がさぁ、ボクが持ち込んだ企画、気に入ちゃってねぇ。 また、今週発売の号で、載るよ。今度はもっとエロいのがね!」 なんだと。 こいつは、この間のだけでは飽きたらず、まだティアを貶めようと言うのか。 「やめろ……これ以上、ティアを傷つけるな、苦しめるなっ!!」 「やだね。これからもまだまだ載るよ? そうしたらそのうち、アケミちゃんでバトロンどころか、連れて歩くこともできなくなるよね! ひゃはははは!」 「そんなの、お前だって同じだろ」 「ボクはいいんだよ。だって、アケミちゃんを外になんか連れ出さないで、ずっとボクの部屋で、こってりと可愛がるんだからね」 俺の脳裏に、ティアの顔が思い浮かんだ。 あの時。はじめて公園に連れていったあの日。 ティアはその広さ、明るさに驚いていた。 はじめてレッグパーツを装着して、公園で走ったとき。 ティアはとても嬉しそうに笑っていた。 笑っていたんだ。 それを奪われるのか。 こいつの元に行ったら、ティアは二度と外の風を感じることもなく、薄暗い部屋の中で、ただ怯え、苦しみ、泣き叫び、心が磨耗していくだけの日々を送るっていうのか。 そんなことは、どうしたって……許せるはずがない! 「渡さない……どんなことがあっても、ティアは決して渡さない!」 「いいや、いずれきっと、君はボクに泣きついて来るさ。だってバトルもできなきゃ、外に連れ出すこともできなくなるんだからね! ひゃははは!!」 井山の高笑いに、俺はせめて睨みつけることで、反抗するしかなかった。 正直、奴の話には現実味があった。 ティアを俺の神姫として活動する方法を、今の俺にはまったく思いつかない。 俺はまた、拳を強く握りしめ、耐えるほかにはなかった。 「そうそうこれ……」 井山はポケットから一枚の紙片を取り出し、俺に差し出した。 「ボクの連絡先だよ。アケミちゃんの件なら、いつでも連絡していいからさぁ」 俺の目の前にいる三人が大笑いした。 俺は……どうすることもできなかった。 無力だった。 この連中のいやらしい笑い声すら止めることはかなわない。 せめてできることは、井山が差し出した名刺をたたき落とし、走ってその場から逃げ出すことくらいだった。 後ろから井山が何事か言ったようだったが、よく聞き取れなかった。 情けなかった。悔しくて、頭に来てもいたが、結局何もできない自分が一番腹立たしい。 あんな奴に好き放題言わせて、それでも何もできずに見ているしかない俺は……なんと情けない男なのだろう。 裏通りの路地。 俺はいつしか立ち止まっていた。 「お、お、おおおおおおぉぉっ!!」 吠えていた。 負け犬の遠吠えだ。 吠えながら俺は、路地の薄汚れた壁に、拳を叩きつけた。何度も何度も、力一杯叩きつけた。 やり場のない負の感情を、壁に向かってぶつけていた。 なんだか、殴りつけている壁に赤い染みが出来はじめた。 叩いている右の拳の感覚がない。 時々、手の指あたりから、鈍く嫌な音が聞こえた。 だが、無視した。 俺は壁を叩くのをやめなかった。 ただひたすらに、その行為に没頭していた。 いつまでそうしていただろう。 「っておい!? 遠野!! おまえ、ちょ……なにやってんだ!!」 野太い大声が俺を呼ぶ。 そして、ひたすらに動かしていた右腕を、力任せに掴んできた。 「はなせ!! 大城っ!」 「バカ!! 手が血塗れじゃねぇか!! いてえんだろうが!」 「こんな痛み、ティアが受けた痛みと比べようがないっ!!」 それでも大城は、俺の右腕をがっちりと掴んで、放さないでいてくれた。 「遠野、お前……」 「それでも……おれは……ティアの痛みを分かちあってやることさえ出来ない……あいつの涙を、止めてやることさえ出来ない……おれは……おれは……っ!!」 もう言葉にならなかった。 俺は狂ったように慟哭した。 次へ> トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/izumoyuuto-knosp/pages/176.html
《Sin(シン) Space(スペース)》 フィールド魔法 自分フィールド上に「Sin World」が発動している場合のみ発動可能。 このカードがフィールド上に存在する時、このカードは「Sin World」として扱う。 このカードがフィールド上に存在する限り、自分のドローフェイズ時に通常のドローを行う代わりに、自分のデッキから「Sin」と名のついたカード1枚を選択し手札に加える事が できる。 自分フィールド上の「Sin」と名のついたモンスターが持つ『「Sin」と名のついたモンスターはフィールド上に1体しか表側表示で存在できない。このカードが表側表示で存在する 限り、自分の他のモンスターは攻撃宣言できない。』と言う効果は無効化される。 自分フィールド上に「Sin」と名のついたモンスターが存在する場合、このカードは1ターンに1度破壊されず、相手はフィールド魔法カードを発動できない。 関連カード Sin 《Sin World》
https://w.atwiki.jp/designmaster/pages/47.html
■CSSボタンをブログやサイトに適用する CSSボタンをブログやサイトに適用する方法をご紹介します。 CSSボタンを作成後、名前を付けて保存します。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 テキスト形式で保存されます。 上の部分のソースはCSSに貼り付け、下の a class=~ ●● /a の部分はHTMLに貼り付けます。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 ※上記の画像は一例になります。 保存後、すべてのソースが上記のようなものではありません。